10-1 マメリ 『アリアンナの嘆き』 [CD]
ソプラノ歌手、ロベルタ・マメリさんのCD『アリアンナの嘆き』を聴く。
つのだたかしさんがプロデュース+伴奏(リュートなど)をしていて、メゾソプラノの波多野睦美さんが共演している(全12曲のうち3曲)。
今月はじめにおこなわれたリサイタル(こちらは『ディドーネの嘆き』というタイトル)を聴いて、あまりの素晴らしさに思わずCDを買い、サインまでもらってしまった。
身体の底から鳴り響く声と、ものすごい表現力。
第一声で一気に心身ともに覚醒してしまった感じで、あとは2時間があっという間。
その夜は頭が冴えてしまって、何度も目が覚めてしまった。
こんな歌手、こんな歌、聴いたことがない。
小さな会場で(補助席がたくさん出ていたけれど)、こんなにお客さんが少ないのはもったいない、もっと多くの人に聴いてほしい、と思ったのが半分、あんまり人に知られたくないという思いが半分。
CDの曲目はリサイタルと重なる曲も多く、変化に富んでいて楽しい。
モンテヴェルディ、サンチェス、ストロッツィなど。
あの波多野睦美さんとのデュオは、まるで火花が散るみたいな「競演」に聞こえるときもあれば、まるで一人の歌手が歌っているみたいに溶け合う瞬間まで、これもなかなか聴けない刺激的な名演だと思う。
CDには入っていないのだけど、リサイタルの白眉は、タルクィニオ・メルラの《さあ 眠りなさい》だった。
幼子イエスをあやすマリアの子守唄なのだが、やがて十字架にかかるイエスの凄惨な幻視に惑乱しながらも、「いまは、さあ、穏やかに眠りなさい」と慈しみに満ちた深い声でうたうマリア。
受難節のこの時期に聴かせてくれたのがとても嬉しかった、忘れがたい一曲。
CD: Pardonレーベル、2008年録音
リサイタル: 2010年3月2日、日本福音ルーテル東京教会、ダウランド・アンド・カンパニイ主催
つのだたかしさんがプロデュース+伴奏(リュートなど)をしていて、メゾソプラノの波多野睦美さんが共演している(全12曲のうち3曲)。
今月はじめにおこなわれたリサイタル(こちらは『ディドーネの嘆き』というタイトル)を聴いて、あまりの素晴らしさに思わずCDを買い、サインまでもらってしまった。
身体の底から鳴り響く声と、ものすごい表現力。
第一声で一気に心身ともに覚醒してしまった感じで、あとは2時間があっという間。
その夜は頭が冴えてしまって、何度も目が覚めてしまった。
こんな歌手、こんな歌、聴いたことがない。
小さな会場で(補助席がたくさん出ていたけれど)、こんなにお客さんが少ないのはもったいない、もっと多くの人に聴いてほしい、と思ったのが半分、あんまり人に知られたくないという思いが半分。
CDの曲目はリサイタルと重なる曲も多く、変化に富んでいて楽しい。
モンテヴェルディ、サンチェス、ストロッツィなど。
あの波多野睦美さんとのデュオは、まるで火花が散るみたいな「競演」に聞こえるときもあれば、まるで一人の歌手が歌っているみたいに溶け合う瞬間まで、これもなかなか聴けない刺激的な名演だと思う。
CDには入っていないのだけど、リサイタルの白眉は、タルクィニオ・メルラの《さあ 眠りなさい》だった。
幼子イエスをあやすマリアの子守唄なのだが、やがて十字架にかかるイエスの凄惨な幻視に惑乱しながらも、「いまは、さあ、穏やかに眠りなさい」と慈しみに満ちた深い声でうたうマリア。
受難節のこの時期に聴かせてくれたのがとても嬉しかった、忘れがたい一曲。
CD: Pardonレーベル、2008年録音
リサイタル: 2010年3月2日、日本福音ルーテル東京教会、ダウランド・アンド・カンパニイ主催