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10-43 小倉貴久子 ショパン・コンサート [コンサート]

2010年11月9日、小倉貴久子さんほか演奏の室内楽演奏会を聴きに出かけました。

「ショパンの愛したプレイエル・ピアノ 弦楽器と奏でる美しい詩(うた)」。
於:第一生命ホール
主催:静岡文化芸術大学 文化・芸術研究センター、NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール
協力:浜松市楽器博物館

プレイエル社の1830年製フォルテピアノを使った演奏会。
前半がピアノのソロ作品と、チェロとピアノのデュオ、後半がピアノ協奏曲第2番の室内楽版(ピアノ+弦楽五重奏)という面白いプログラム。

コメントすべき話題の多いコンサートですが、長年のファンとしては、あの小倉さんの演奏でショパンを聴ける!というだけで、すでにワクワク。

前半のソロがまず聴き応え十分でした。
「華麗なるワルツ」Op.34-1で華やかにオープニング。
2曲目のイ短調マズルカOp.17-4 が素晴らしく、聴衆の集中力がここでぴんと張りつめて、舞台に集中していくのを感じました。
遺作の嬰ハ短調ノクターン(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ)は、数年前に公開されたロマン・ポランスキーの映画「戦場のピアニスト」でも印象的に使われていた名曲。

小倉さんのピアノは本当によく歌う……生き生きとして躍動的で……聴くたびに嬉しくなってしまいます。

他の人がピリオド楽器を弾くと、最初から最後までモダンとの楽器の違いを感じさせられてしまうことが多い。
でも小倉さんの演奏はいつも、聴き始めてすぐに、楽器の違いなんて関係なくなって、そこから響いてくる音楽にすっかり没頭して楽しむことができる。


前半の最後は花崎薫さんのチェロで「序奏と華麗なるポロネーズ」Op.3。
後半はピアノ協奏曲第2番の室内楽版。
(弦楽パートの演奏は、桐山建志、藤村政芳、長岡聡季、花崎薫、小室昌広の各氏)

めったに生では聴けないプログラムで、興味深く、楽しめました。


このコンサートは、一種の「産学協同」のプロジェクトで、浜松にある静岡文化芸術大学が、音楽学研究の成果を実際のコンサートで世に問う、という姿勢から始めたもの。

同じ浜松の楽器博物館が収蔵品を提供し、その企画に演奏家たちとホール(トリトン・アーツ・ネットワーク)関係者が共鳴して……と、人の輪が広がって、これまでに4回、浜松と東京で他では聴けない興味深いコンサートを開催してきました。

今回で一応のシリーズ完結だそうですが……
同じような曲目が並ぶコンサートが多いなか、本当に貴重なチャレンジだったと思う。

最後だなんて言わないで、続けてほしいのだけど。


アンコールは「別れの曲」の室内楽版。編曲は小倉さんでした。


下記は、2006年に行われたコンサートで演奏された、室内楽版ピアノ協奏曲第1番の録音です。


ショパン:ピアノ協奏曲第1番 室内楽版 [浜松市楽器博物館コレクションシリーズ9]

ショパン:ピアノ協奏曲第1番 室内楽版 [浜松市楽器博物館コレクションシリーズ9]

  • アーティスト: ショパン,なし,小倉貴久子/桐山建志/白井圭/長岡聡季/花崎薫/小室昌広
  • 出版社/メーカー: 浜松市楽器博物館
  • 発売日: 2007/01/28
  • メディア: CD



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