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10-44 藤村実穂子リサイタル [コンサート]

2010年11月11日、藤村美穂子さんのリサイタル「リーダーアーベントⅡ 生誕200年 シューマンをうたう」を聴きました。
於:紀尾井ホール
主催:新日鐵文化財団


オペラ歌手のうたう歌曲(リート)のコンサートは、がっかりすることが多いけれど……
充実した、感動的な音楽会でした。

リートの世界に、新しい日本人演奏家の誕生!という気がして、これからが楽しみ。


前半いきなりの「リーダークライス」は、舞台にも客席にも緊張感がただよったまま……
音楽の世界で遊ぶというよりは、何やら居合い抜きか何かの真剣勝負(見たことないけど)を固唾をのんで見守っているような感じ。

後半のマーラーになってやっとほどけて、伸び伸びしてきた感じ。
マーラーは藤村さんの音楽の色にとても似合っているような。
リヒャルト・シュトラウスなんてとてもはまりそうだけど。

ブラームス「ジプシーの歌」Op.103からの8曲もそれぞれに楽しかったけれど、第7曲「時々思い出す」は、とっても可愛いい曲でした。


世界を舞台に活躍する一流の演奏家に対して、とてもとても僭越な言いようなのはわかっているけど……

もっと自由に、もっと可愛らしく、もっと自然に、もっといいかげんに、なれるといいなと思うし、きっとなっていける。その萌芽がこの夜のコンサートにはあったと思う。

人間は真剣勝負だけで生きているわけではないし、すべてを完璧にコントロールして生活しているわけじゃない。
ダメだけど、愛おしいのが人間。
歌は、そんな人間そのものだから……


CDもサインもほしかったけど、CD売り場はいつも黒山の人だかりで近づけませんでした。
しょうがないので、手が痛くなるくらい拍手して、幸せな気分で帰宅しました。

ピアノのウォルフラム・リーガーさんが素晴らしかったです。
ハルトムート・ヘルさんの弟子でもあるそうな。
振幅の激しい繊細な表現と、頬を紅潮させながらの妙にキビキビした挙措動作が師匠を思わせて、なんだか微笑ましかったです。



ドイツ歌曲集

ドイツ歌曲集

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: フォンテック
  • 発売日: 2010/11/21
  • メディア: CD



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