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11-1 片岡詩乃ハープリサイタル [コンサート]

2011年、新年明けましておめでとうございます。

年末年始の休みは久しぶりに仕事から離れて、元気に過ごしました。
親戚一家が泊まりに来たり、お墓参りに出かけたり。
数えてみたら年明けの4日間で会った人は17人。
史上最高のにぎやかなお正月でした。

久しぶりにコンサートのご報告を。

*****

2010年12月17日、銀座・王子ホールにて、片岡詩乃さん(ハープ)のリサイタルを聴きました。

片岡さんは、現代の音楽を積極的に演奏してきたハーピストだそうで、曲目が非常に面白く、聴きごたえがありました。

前半:
フォーレ「塔のなかの王妃」
サルツェード「シンチレーション」
武満徹「海へⅢ」(フルート:近藤孝憲さん)

後半:
マリー・シェーファー「アリアドネーの冠」
高橋悠治「そしてまた」(委嘱新作初演)
ブリテン「組曲」


面白かったのは、構成の巧みさでブリテン、そして多彩な曲想でサルツェード(サルゼード)。

力作はシェーファー。
ハープのほかにたくさんの小さな打楽器系の楽器を一人で扱う曲で、演奏者の孤軍奮闘ぶりを眺めているだけでも楽しい(ごめんなさい)音楽。
それぞれの楽器が、いかにものはまりどころで美しい音を響かせて、飽きさせず、印象深い曲でした。

シェーファーで面白いのが、これだけ多彩な楽器を使うのに、展開の意外性はあんまりない、というところ。
楽器の使い方、響き、音型、それぞれが、多分そう来るだろうなと思うと、その通りに来る。
この安心感、予定調和が、決して陳腐にはつながらないのが面白い。
一つ一つの響きの美しさが、あとあとまで記憶の中に余韻を残す音楽。
これがシェーファーらしさなのかな?

高橋悠治さんの新曲。
もっと面白くできたのでは、と思った。
音と音とのあいだの、えもいわれぬ間(ま)、空間が、もう少し……


どれも大曲、力作ぞろいで、演奏者は大変だったろうと思いました。
ハープをソロで聴く機会はあまりないので、演奏者の技量とか曲の難しさは、申し訳ない、よくわからないのですが……
これだけのプログラムを一晩で弾きこなすというだけですごいことなのでしょう。


話がそれるようですが、私の父は絵描きで、時々、個展を開いていました。

開くにはお金がかかるので、出した絵がそれなりに売れてくれないと経済的には苦しいのですが……
たまに、売れる売れないは度外視して、今の自分を確かめる、という意味で、個展を開くときもあったように思う。

片岡さんのリサイタルを聴いていて、なんとなく、そんな「個展」のような気概を感じさせる音楽会だなと思いました。


片岡さんのCDを検索してみたら、こんなCD ↓ がありました。画像がないのが残念。



Shima Chromatic

Shima Chromatic

  • アーティスト: 小林史真,ガーシュウィン,ヘイゼル,サティ,バッハ,ムーディ,ドビュッシー,田村緑,片岡詩乃,稲野珠緒,メルヴィン(アンドリュー)
  • 出版社/メーカー: フォンテック
  • 発売日: 2002/12/21
  • メディア: CD



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