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11-3 ティク・ナット・ハン『小説ブッダ』 [本]

首都圏は珍しく雪の予報。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

いやはや多事多難な日々ですが、なんとかやりすごしております。
身体は元気になってきたので、大丈夫。
コンサートになかなか行けないのが寂しいですが、CDの音楽で栄養補給しています。

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「ブッダ」とは、また突然どーしたんですか?? という声が聞こえてきそう。
でも、これはとってもお薦めの本で、ずっと以前から、いつか紹介したいと思っていたものです。


ベトナム生まれ、「現代最高の禅僧」として名高いティク・ナット・ハン師のブッダ伝。

学生時代から、キリスト教に限らずいろいろな宗教・信仰に興味があり、本を探しては読んでいましたが、仏教はとにかく捉えどころのない宗教だなぁという印象がありました。

「聖書」が信仰のアルファでありオメガであるキリスト教と違って、「これ1冊読みさえすれば」というのが仏教にはないようで、どれを読んでも、教えの一部ないし断片という印象。

何だろうなぁ一体……と思いつつ二十数年が経ち、やっと、「この1冊」を見つけた!という気持ちになったのが、この本です。


小さな活字で2段組、400頁を超えるハードカバーの本なのに、通勤の行き帰りにほぼ一気読みしてしまいました。読み終わってしまうのが惜しくて、途中からはことさらゆっくり読むようになったのですが、それでも読了まで5日はかからなかったと思う。
本を読むのが遅い私にしては異例のスピードでした。


ブッダの生涯を伝記的に追いつつ、彼の教えの要諦を簡潔にまとめ、それがどんな状況でどういう人々に向けて語られた教えなのか、それをどういう弟子がどのように伝えたのか、ブッダをめぐる人々や当時の社会的背景など、知りたいと思うことがすべて1冊の中にコンパクトにまとめられています。

ブッダをめぐってはいろいろな伝説・伝承が残されていますが、そういった出来事、人間関係もていねいに描かれているので、「なるほど、こういうことか」と納得することも多々あり。


ブッダの教えを信仰として受け止めたい人にも、知識として仏教とは何かを知っておきたい人にも。
きっと、どちらにも読み応えのある本なのでは。

初版からまだ3年も経っていないはずですが、はや6刷。
きっと、私のように感動して読んだ人がたくさんいるに違いない。

副題にある「いにしえの道、白い雲」がまた、何故か胸に沁みるではないですか。


著者ティク・ナット・ハンさんは、十数年ぶりに来日するらしいです。
講演会、あるいは可能ならばリトリートに行ってみたいなぁと思っていますが、無理かなぁ……
http://thay.jp/

*残念ながら、ティク・ナット・ハン師は来日ができなくなったそうです。講演会は満員になっていたそうですが。この地震の影響もあるようです。〔2011.4.1記〕

手塚治虫さんのブッダ伝も、映画が近々公開されるようですし。
興味のある方は、ぜひ手にとってみてください。



小説ブッダ―いにしえの道、白い雲

小説ブッダ―いにしえの道、白い雲

  • 作者: ティクナットハン
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 単行本



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