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11-28 こんにゃく座「ゴーゴリのハナ」 [コンサート]

今日は、9月の新刊の見本ができてきました。

出来たての本の匂いが大好きです。

インクの匂い、というか、多分これは、製本のノリの匂いのほうが強いと思う。
表(表1といいます)を見て、裏(表4)を見て、オビをはずしてカバーを確認。
カバーをはずして、表紙の刷り具合と製本の状態を確認。

花切れを見て、スピン(しおり)を見て、ふーん、制作部の彼は、こういう色柄が趣味なのね、と密かに確認(このデザイナーさんは、花切れ・スピンの選択は制作部にお任せ)。

そして最後に、くんくん、と匂いをかぐ。

この瞬間があるから、どんなにきつくても本作りはやめられない、と思うのかも。


でも、匂いのあるうちはご用心、なのです。
机のうえにきちんと置き、そのへんにある重い本を何冊か乗せて、家に帰る。
間違っても、できたばかりの本を持って帰ってはいけない。

ノリの匂いがするうちは、「乾ききっていない」ということなのです。
保管のしかたを間違えると、表紙がたわんで変形してしまう。
だから、出来たその日はガマンして、持ち帰ることはしません。

もう一つ、持ち帰らない切実な理由。
下手に持ち帰って、しげしげ読んだりしちゃったら最後、「絶対に」誤植(ミスプリント)が見つかるから。
出来たその日くらい、喜んだままでいたいですからね!


今日は、著者が見本を受けとるために、わざわざ社まで足を運んでくださいました。
こんなふうに、校正刷が出たり、見本ができたりすることを、一つ一つ喜んでくれる著者は、ほんとに嬉しい。
こっちも頑張るぞ、といつにもまして力が入ります。

良かった良かった!!

*****

前置きが長くなりましたが、昨日(2011年9月14日)、六本木の俳優座劇場で、オペラシアターこんにゃく座の公演、『ゴーゴリのハナ』を見てきました。

詳しいレビューは、いずれ、JAZZ TOKYO のほうに書かせていただく予定。

久しぶりだったし、ほんとに楽しかった。
こういうドライな不条理劇って、音楽芝居には非常に合っている気がした。
作曲(こんにゃく座代表・萩京子さん)がまた巧い。
「ハナ」という言葉の音をフルに生かした台詞・歌詞も、実に巧み。

かなり疲れてはいたのですが、飽きずに一気に観て、途中で何度笑ったことか。

日頃から稽古を積み重ねている役者さん(「うた役者」と主演の大石哲史さんは名乗っています)だけに、歌も動きも、アンサンブルがとても緻密によくかみ合って、すごいなと思いました。

役者ひとりひとりの「声」がそれぞれ個性的。
あたりまえのようだけど、クラシック音楽にどっぷりはまっていると、演ずる人の個性よりは「ソプラノ」「バリトン」といった声種のキャラクターとしてふさわしいかどうか、という視点が優先してしまう。
それはかえって不自然なことだ、ということに気づかされます。

出てくるひと、出てくるひと、みな声が違う。
その存在感、力強さ。新鮮でした。


これは、こんにゃく座40周年記念公演の1つ。

40年!!
すごいことです。
経済的にも、人間関係でも、数限りなく、いろんな困難があっただろうと思いますが。
音楽があったから続いてきた、のかもしれない、とふと思いました。


小学生のころ、学校の演劇教室で『セロ弾きのゴーシュ』を観た。
あれはこんにゃく座ではなかったか。

演じた人の名前はまったく覚えていないけれど、舞台の場景、役者さんの汗と息づかい、面白い音楽や、役者さんのおかしな表情、何よりも、その時の自分のワクワク感を、鮮明に覚えています。

こんな体験を小さい頃にさせてもらえて、ありがたいことです。


公演は19日まで。
「ハナ」、傑作ですよ。

http://www.konnyakuza.com/syusai.html
















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