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12-05 碇山典子『プーランク ピアノのための作品集』 [CD]

お久しぶりです。

2月、すごーくヘビーな本の編集作業に追われていました。
半徹夜が1週間続くと、やっぱり、後がきついです。
でもやりがいのある本だったから、なんとか頑張れたという感じ。

3月第1週、やっとの思いで校了し、次の週には白焼。

これは「しろやき」と言います。今ふと、うなぎを連想したけど、違います。
かつての「青焼」のことで、印刷にかかる前の最終の製版確認とでも言えばいいのかな。
そこでも修正がこれでもかと入り、胃が縮む思い。

そして、次の週にはもう本ができていた……


コンピュータができて、DTPが可能になって、編集者は楽になる。と言われていましたが、ウソですね。
どんどん仕事が増え、どんどんスピードが加速していく。
こんなんでいいわけないと思いつつ。

まあ、良い本ができればそれで良しとしましょう……

*****

プーランクはとても良い曲をたくさん創っていますが、なかなか愛好家の輪が広がらないのはなぜなんだろう?

室内楽、特に管楽器を含むアンサンブルにはとても面白い、人間味あふれる曲がたくさん。
もちろん、歌曲も素晴らしい。
ピアノ作品は、実は、あまり印象に残る音楽ではないなーと思っていたのですが……

このCDを聴いて、久しぶりにプーランクに再会した気分。
すごくいいCDです。

最初の3つの《ノヴェレッテ》、それから《常動曲》――ああ、懐かしい。
最後の即興曲集も粒よりの佳品がそろっています。

何日か前に、いつものように、台所仕事のお供にと思ってかけてみました。
これすごい! どうしてこんなにいいんだろう?
そう思って一気に3回繰り返して聴き、それからずっと、何かあるたびにかけています。

ポール・クロスリーなどいろいろ聴いてきましたが、碇山(いかりやま)典子さんのこの演奏、とても温かいのです。
ぬくもりがあって、そしてしみじみ優しい。
いいなぁ。

クロスリーをはじめ、プーランクというと、洒脱さ、粋、シニカルなユーモア、透明感、そういったものが強調されていたように思うけれど……

自然体の、等身大のプーランクが人なつこく話しかけてくる、そんな感じ。


プロデューサー・ノート(カメラータ・トウキョウの井阪紘さん)には、プーランクならではの音、とくにペダルの繊細な響きをとらえる苦労がいろいろ書いてあります。
演奏者と、そして、ホール(名古屋:電気文化会館)の音響の良さに助けられたと。
なるほど。
ほかではなかなか聞けないこの音色は、そういった創意工夫の賜物でもあるわけですね。


このジャケットもなかなか可愛い。
こういう写真、どこから見つけてくるのかなぁ。洒落てますね!


プーランク:ピアノのための作品集I

プーランク:ピアノのための作品集I

  • アーティスト: プーランク,碇山典子(ピアノ)
  • 出版社/メーカー: カメラータ・トウキョウ
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: CD



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